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クヌルプヒュッテその1 [旅]

    2007.8.11          

    八ヶ岳 を下りて 茅野 からJRで一駅
     上諏訪から一気に登ったところが
      日本有数の高原 霧が峰
       今回は山帰りのザックを担いでやってきた
        訪れるのは実に40年ぶり
         大学時代に音楽サークルの合宿で
          何日間かお世話になった クヌルプヒュッテ
           ザ・リガニーズ が結成された場所でもある
            僕はずっと以前からここを再訪したいと思っていたが
             なかなかその機会も無く
              今回登る山を八ヶ岳にしたのも
               北八から 蓼科山 を抜け
                白樺湖 から歩いて行けば
                 すぐそこが 霧が峰 じゃないかと
                  実に子供のような発想からだった
                   実際はそんな体力が残っているわけも無く
                    もう何日も日数が要る

    駅には僕達の荷物の多さを気遣いしてくれて
     オーナーの息子さんが迎えに来てくれた
      なんとあり難かった事か
       つづら折の道をぐんぐん上がると
        いきなり高原の空気感が立ち込め
         記憶にあった グライダーの滑空場 が右に見えてきた
          観光バスの数も多い
           そこから左に折れ ビーナスライン に入り
            なおも細い山道をゆれながら登ってゆくと
             突然山小屋が姿を現した
              クヌルプヒュッテ だった
               思わず声が出てしまった

                          
    ずいぶん手を加えてきたのだろう
     40年の山の厳しい歳月の中にも美しさがあった
      テラスにはご主人の 松浦寿幸 さんが出てきてくれた
       挨拶はもちろん僕の同行者 吉田光夫 君が
        彼はもう50年もこの小屋に通っているのだ

    40年前にここクヌルプでむさ苦しい学生達が
     何日間もここで合宿できたのも
      吉田君の紹介があったから
       何十人ものギターを抱えた20歳くらいの
        無軌道な奴らだったもんね
         ずいぶん迷惑な出来事だったのだろう
          室内のリビングルームの雰囲気は
           記憶の中にあったそのものだった
            ただ風呂が薪から重油に変わったり
             思い出の ランプ は電球に変わっていた
              そして僕が寝泊りした屋根裏が
               今回も僕らの部屋になった

    松浦さん 奥さん そして たけちゃん の三人が
     僕達そして他の二組の家族の世話を焼いてくれる
      僕らは食前のビールを飲み
       風呂に入り, ゆっくり山歩きの疲れを癒した
       八千穂 からいらした小さな二人の子供連れの家族と
        小淵沢 のお蕎麦屋さん いち の御一家だった

    食後はこの小屋宛に送ったギターを二人で引っ張り出し
     つい 海は恋してる を歌う
      気分がいいとはこんな事なんだね
       家族連れの人たちとも談笑になり
        子供達にもて遊ばれながら
         ワイン片手の夜はゆっくり更けていった
          四十年前の自分とはあまりにも
           時の過ごし方が違っていた事に気づく
            その後は深い眠りだった

                           
    翌朝パンとコーヒーとのブレックファスト
     うーんいいね...こんな朝は
      高原の朝はこうじゃなくっちゃ
       快晴の空は深く濃く
        秋の気配さえ感じる
         ゆっくり用意して吉田君の案内で
          霧が峰高原の散歩になった
           クヌルプの裏からすぐ高原に続く
            身軽なので鼻歌も出るくらいだ
             裏山 と呼ばれるこの山の天辺に立つと
              遠く 北アルプス が飛び込んできた
               かつて見て記憶に焼きついていたその場所は
                間違えなくここだった
                 きれいな山だな...と思った記憶
                  その後その山達に登るなどとは
                   夢にも思わなかった

    小学生の団体にまぎれ 蝶々深山 に登り
     ニッコウキスゲ の大群に出会った
      それは丘を埋め尽くすほどだった
       それでもずいぶん減ってしまったらしい
        監視員達もそれを食い止める努力を
         困難ながらもしていた
          アカバナシモツケ の群落
           主張する ししうど
            高原らしい植物達
             歩くだけで十分楽しい
              振り向くと 中央アルプス 御岳 乗鞍
               北には 浅間山 が遠く噴煙を上げる
                車山 に登ればきっと 富士 も目の前なのだろう
                 映画を見ているような錯覚さえ覚えた
                  きっと日本のど真ん中なのだ

                    
    クヌルプに戻り昼食をいただいた
     ひと汗かいた後に塩味の チャーハン は美味しかった
      この日は僕たち以外に年配の夫婦の一組だけ
       夕食時にビールを飲みながらの談笑になった
        新潟県から山を越えてやってきた
         住まいは 柏崎 市だそうで
          地震でまだまだ復旧が進んでいない中で
           休暇などとっていいのかと悩んだそうだ
            災害の大きさがテレビよりもリアルに伝わってきた
             せっかくですからどうぞごゆっくりとねぎらい
              僕らはギターを爪弾きながら夜が更けるのを楽しんだ

    クヌルプには50年前の創業時から
     宿泊客が誰でも好きに書き込める ノート がある
      当然何十冊にもなるわけだが
       その棚から僕達は 1968年 のノートを引っ張り出した
        40年前の夏の合宿の日にちがいつ頃だったか
         まったく記憶に無い
          7月のノートには僕達の痕跡は無かった
           8月に入っても出てこない
            69年だったっけ?と記憶はかなり曖昧になる
             とその時
              今の字と少しも変わらない吉田君の文字が...
               「海は恋してる」発売中!
                売り切れ間近!
                 ホンマかいな?!?
                  1968年8月31日付けだった

                               

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K

あれから40年近くが過ぎて、蓼科に行っては霧ケ峰も近いなと思っていた。
今年も新緑の季節に蓼科に行く予定だ。
八子が峰付近を調べていたら、懐かしいクヌルプの文字を見つけた。
蓼科のホテルは好きだと思っていたが、
そんな所はいつでも行ける
どうしても今年の早春、クヌルプに行こうと決意した。
私もノートに書いたか さだかではないが・・
by K (2009-03-19 22:16) 

tzneyan

 僕も今年は休みをとって行きたいと思っていたところ。
Kさん,何が蘇ってくるか楽しみですね。
by tzneyan (2009-03-20 14:16) 

K

40年後の始めは 以前のように
ヒュッテの始まりに まだ高原が茶色で静かな時に行きたいと思う。
一人で4.5日滞在したい、散歩したり 小川のそばで本を読んだりして
過ごしたいと思っている。
だけど・・一人で行く勇気が・・
やっぱり姉を誘って行こうか、ナ。
連休の始めに行きます。
鳥海山まで車で行く計画を蹴って、
おいしいワインを持参するので音楽係もいらっしゃい、ヨ!
40年後のお仲間さん!

by K (2009-03-20 22:24) 

tzneyan

 連休の初めは素敵でしょうね。
僕は寒いのが苦手なので,もっぱら山は全て夏。
どうぞ春の息吹を存分に感じてきてください。
by tzneyan (2009-03-21 11:57) 

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