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No Direction Homeは怖いようなドキュメントだった<2005.11.24> [音楽]

2005.11.24              

No Direction Home / Bob Dylan

NHKのドキュメントとしても異色という作品
 マーティン・スコセッシNo Direction Home を観た。
  10時間のDylanのインタビューと
   66年までの様々なフィルムを
    編集して作られたこの3時間半のDylan。
     僕たちファンにとっても
      今まで伝説としてしか聞いてこなかった様々な出来事が
       いとも簡単に目の前に飛び込んでくる。

でもこれは決してボブ・ディランのすべてではない。
 彼はこの後バイク事故から復帰し,
  まったく違う道を歩き始めるから。
   これはアメリカ史,そして歌というものの
    現代における意味をもう一度考え直せという
     スコセッシディランなりのメッセージなのだろうか?
      あれはいったい何だったのだろうかと。
       たった数年でまったく違う表情に変わってゆく彼に
        説明できない恐るべき力を見た。
         取り憑かれたとしか言いようのない力。
          決してディラン賛歌でもなければ
           フォーク万歳でもない。
            でもそこを通り抜けた歌達の
             延長に僕たちもいることはたしか。

集合無意識...レノン もその後ニューヨークに渡り
 ビートルズを遥かに超える自らの歌を探し始める。
  ジャズが,詩が,歌が,光り輝いていたであろう一瞬の時間。
   Dylanはその象徴として祭り上げられ
    生贄になる運命だったんだ。
     彼が永い間人前から姿を消すのも
      宿命だったんだ。
       淡々としたインタビューの表情から,
        決して自分を偽らなかった男の美しさがあった。

それにしても初期のBandとのDylanの
 音楽の素晴らしさはいったいなんだ!
  裏切り者があんな音楽をどうして作れるというのだろう。
   ブルームフィールドやロバートソンの
    ギターの美しさは何なのだろう。
     光り輝いていたな。
      いいものをいい時に観ることができた。
       あっという間の3時間半だった。

    http://www.nhk.or.jp/dylan/
        http://bobdylan.com/index.html
          http://www.imageforum.co.jp/dylan/


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ikki

あっという間の3時間、,まさにそうでしたね。
家族に7:30から11時までTV独占宣言と声がけ禁止条例を発令してかじりつきました(笑)
フォークソングがメッセージソングだったあの頃、「裏切り」と呼ばれながらも臆することなく、ひたすら自分の音楽を追及していくDylanの姿に感動しました。
「人じゃないよ、Soundなんだ」というDylanの言葉に集約されているのではと思います。アコースティックからエレキに持ち替え、Bandを引き連れたDylanの姿はそれだけで既に民衆の中で神格化されてしまったメッセンジャーとして裏切られた思いが強かったんだろうなぁ・・でもDylanはMusicianとしての自分の思いを貫いていくんですね。
Milesのバンドから離れたColtraneがひたすら自分の中にあるSoul を追求していく姿が神の降臨といわれたように大袈裟にいえばDylanにも彼自身の神が降臨したのかも知れませんね。でも彼にとってはあたりまえのことだったのかも。
いやー良かったです。
by ikki (2005-11-25 14:13) 

ゆり娘のパートナー

私的には“衝撃的な3時間”でした。観終わった後も、そして現在も、うまく言葉になりません。ディランが最初の録音をしたであろう1950年代最後半、私はこの世に生を受けた故、リアル・タイムでは知り得るはずもなく…。ただ私の愛する“フォーク”の、決して看過できない源流のひとつとして後追いしている訳ですが、「プロテスト・ソングの旗手」という切り口のみでは語りつくせない部分を、まざまざと観た思いでした。

ikkiさんも書かれておられるように、エレキに持ち替えてのコンサート・ツアー、そこでの観衆の痛烈な批評と、それを冷静に受け止めるディランと…。そんな客観的な対比映像の中に、ディランの中にある強烈な「信念」を感じました。周囲を取り巻く様々な環境は全く異なるものの、やはり岡林信康氏のことを想起せずにはいられませんでした。ただ一つ言えることは、二人とも、自らの確固たる信念に基づいて、自らの“表現”を貫徹したということ…。

“伝説”として既知の部分も多くありましたが、あのようにモノクロ映像を映像を突きつけられることで、新たな“何か”が私の中に生まれた気がします。生贄になる運命…―まさに“時代”が彼を欲したのでしょうね。彼の生き様は、紛れもなく“1950-60年代のアメリカの歴史そのもの”ですね…。

またまた、“フォーク”というものの“懐の深さ”を見ました。ジョーン・バエズを初めとする出演されていた方々もまた、信念を持った生き方をされているのだ、と思います。まだまだ勉強ですね。当分“微熱”が続きそうです…。
by ゆり娘のパートナー (2005-11-25 16:11) 

しのボン

はじめまして、名古屋のしのボンと申します。
こちらやミクシィの「猫」関連の所はいつも拝見させていただいてます。
「No Direction Home 」はBS-i は見られないので残念です。
アートシアター系で「ボブ・ディランの頭の中」と言う作品が
かかっているのですが、あれとは別物なんですよね。
また、書き込みさせてください、よろしくお願いいたします。
by しのボン (2005-11-26 11:23) 

sugarmountain

これだけの記録され残っているのがすごいことだと思います。
アメリカの人たちはこれらの映像を当時普通に見ていたのかと思うと、英語が分かる云々を以上に肌でディランを感じていたんだろうなと思います。
遠い島国でレコードだけを頼りに想像するのとはえらい違いですよね。
TBさせてもらいます
by sugarmountain (2005-11-28 18:12) 

tzneyan

 その通りですね。Dylanをずいぶん誇大解釈していたり,過小評価だったり....,ずいぶん歪んでました。一見は百聞に...そのものです。さいきんDylanの凄さをいまさらながらに思い知っていたので,絶妙のタイミングでの放映でした。感謝してます。
by tzneyan (2005-11-29 01:52) 

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