30年目の杏里 [音楽]
2008.9.4
僕が60歳になった今年
杏里 がデビュー30周年を迎えた
30歳の時に彼女と出会い
僕は裏方として長く制作活動に係わった
人生のちょうど真ん中だったんだね
1978年の夏
僕と杏里は成田からLos Angelsに旅立った
デビューアルバムの録音のため
彼女は外国はまったくの初めて
僕にとっても学生旅行の体験はあっても
まさか仕事を外国でするとは思ってもみなかった
手配された航空券はなんとソウルとアンカレッジ経由
当時はそう珍しいことでもなかったらしい
無事ソウルに着き乗換えを待っていると
航空会社から説明が...
「今日は乗り換えの航空機が手配できず
ソウルに一泊していただきま~す
改めて明日の出発になります!」
えっ!えええっ?!
驚いても他に選択手段は無い
ビザも持たない僕たちは裏口から韓国に入国
大型バスで市内に半ば監禁されるという状態
僕は見知らぬ男性旅客と相部屋に
翌日まで一緒に過ごすこととなる
まだ16歳だった杏里は
さぞ不安な事だろうと気遣ったけれど
さすが当時から大物
逆にこちらが不安でビビル様を気遣ってくれ
ハプニングを楽しむ余裕さえあった
夕食は全員でプルコギ
翌日の昼は観光バスで市内観光と
反乱でも起こされたら困るのか
妙に丁重な航空会社
いったい俺は今ここで何をしているんだろう...と
自分の無様さだけが頭を駆け巡った
どの景色を見ても頭には入ってこない
何とか公園での記念写真の不機嫌な顔
当時軍事政権下におかれ
夜は戒厳令で人の姿は皆無
機銃を持って街角に立つ兵隊だけが眼に入る
そんなシリアスな社会情勢だけを
今でもリアルに覚えている
そんな気分を一掃したのが
LAの空港から市内に入る景色と
車内のFMから流れる歌だった
遥々辿り着いた70年代の西海岸の美しさは
頭に描いたイメージをも遥かに超えるものだった
杏里の眼は何もかもを見逃すまいという
好奇心と幸福感に満ち溢れていた
そして自分がこれから歩もうとしている道が
今市内に向かうその道と
完全に重なっていた
デビューアルバムの録音がほぼ終了し
皆の顔から緊張が完全に消え去った頃
サンセット・マーキス・ホテルの一室で
杏里の誕生パーティーが行われた
17歳のその日をハプニングで仕込んだ僕たち
部屋に入って来た彼女の丸く拡がった眼を
今でもはっきりと覚えている
30歳の僕は青春の最後をほろ苦くかみ締め
ギターを捨て夢中で制作活動に走っていた
そこで出逢った才能はどれだけ僕を励ましてくれたか
お互いが成長できたからこそ
いい仕事が出来たんだと思っている
チャップリンの住まいだったA&Mスタジオは
まだそのままだろうか?
廊下にあったチェレスタはまだそこにあるのだろうか
若かったジョニ・ミッチェル
亡くなってしまったカレン・カーペンター
皆一緒に録音していたな
その隣の部屋で「オリビアを聴きながら」も
はじめて杏里の声で歌われた
かわいい小さな作品がその時に
ずっと長く愛される力を持った作品に
静かに変わっていった
杏里の30周年のライブに呼ばれ
ギターを弾く役割をもらった
嬉しいね...
リハーサルを覗きにいって
久しぶりに彼女に再会
バンド仲間とも会うことが出来た
長く杏里を支えてきた家族同然のバンド
これぞ血が通った音楽だね
僕は離れてしまって久しいけれど
心はいつも家族同然だと言いたかった
いや今度言えばいいのか...
ANRI 30th Anniversary Zepp Live 2008
"Dance With Nostalgia"
2008年9月23日(火,祝)
会場 ZEPP東京
東京都江東区青海1丁目パレットタウン
開場16:00 / 開演17:00
ご予約/お問合わせ ウドー音楽事務所
03-3402-5999
僕が60歳になった今年
杏里 がデビュー30周年を迎えた
30歳の時に彼女と出会い
僕は裏方として長く制作活動に係わった
人生のちょうど真ん中だったんだね
1978年の夏
僕と杏里は成田からLos Angelsに旅立った
デビューアルバムの録音のため
彼女は外国はまったくの初めて
僕にとっても学生旅行の体験はあっても
まさか仕事を外国でするとは思ってもみなかった
手配された航空券はなんとソウルとアンカレッジ経由
当時はそう珍しいことでもなかったらしい
無事ソウルに着き乗換えを待っていると
航空会社から説明が...
「今日は乗り換えの航空機が手配できず
ソウルに一泊していただきま~す
改めて明日の出発になります!」
えっ!えええっ?!
驚いても他に選択手段は無い
ビザも持たない僕たちは裏口から韓国に入国
大型バスで市内に半ば監禁されるという状態
僕は見知らぬ男性旅客と相部屋に
翌日まで一緒に過ごすこととなる
まだ16歳だった杏里は
さぞ不安な事だろうと気遣ったけれど
さすが当時から大物
逆にこちらが不安でビビル様を気遣ってくれ
ハプニングを楽しむ余裕さえあった
夕食は全員でプルコギ
翌日の昼は観光バスで市内観光と
反乱でも起こされたら困るのか
妙に丁重な航空会社
いったい俺は今ここで何をしているんだろう...と
自分の無様さだけが頭を駆け巡った
どの景色を見ても頭には入ってこない
何とか公園での記念写真の不機嫌な顔
当時軍事政権下におかれ
夜は戒厳令で人の姿は皆無
機銃を持って街角に立つ兵隊だけが眼に入る
そんなシリアスな社会情勢だけを
今でもリアルに覚えている
そんな気分を一掃したのが
LAの空港から市内に入る景色と
車内のFMから流れる歌だった
遥々辿り着いた70年代の西海岸の美しさは
頭に描いたイメージをも遥かに超えるものだった
杏里の眼は何もかもを見逃すまいという
好奇心と幸福感に満ち溢れていた
そして自分がこれから歩もうとしている道が
今市内に向かうその道と
完全に重なっていた
デビューアルバムの録音がほぼ終了し
皆の顔から緊張が完全に消え去った頃
サンセット・マーキス・ホテルの一室で
杏里の誕生パーティーが行われた
17歳のその日をハプニングで仕込んだ僕たち
部屋に入って来た彼女の丸く拡がった眼を
今でもはっきりと覚えている
30歳の僕は青春の最後をほろ苦くかみ締め
ギターを捨て夢中で制作活動に走っていた
そこで出逢った才能はどれだけ僕を励ましてくれたか
お互いが成長できたからこそ
いい仕事が出来たんだと思っている
チャップリンの住まいだったA&Mスタジオは
まだそのままだろうか?
廊下にあったチェレスタはまだそこにあるのだろうか
若かったジョニ・ミッチェル
亡くなってしまったカレン・カーペンター
皆一緒に録音していたな
その隣の部屋で「オリビアを聴きながら」も
はじめて杏里の声で歌われた
かわいい小さな作品がその時に
ずっと長く愛される力を持った作品に
静かに変わっていった
杏里の30周年のライブに呼ばれ
ギターを弾く役割をもらった
嬉しいね...
リハーサルを覗きにいって
久しぶりに彼女に再会
バンド仲間とも会うことが出来た
長く杏里を支えてきた家族同然のバンド
これぞ血が通った音楽だね
僕は離れてしまって久しいけれど
心はいつも家族同然だと言いたかった
いや今度言えばいいのか...
ANRI 30th Anniversary Zepp Live 2008
"Dance With Nostalgia"
2008年9月23日(火,祝)
会場 ZEPP東京
東京都江東区青海1丁目パレットタウン
開場16:00 / 開演17:00
ご予約/お問合わせ ウドー音楽事務所
03-3402-5999
こんばんは!ごぶさたしていました。
杏里さんとの素敵なお話ありがとうございました。
なかなかタイミングがあわずでしたが・・・
やっと念願叶って10/3の錦糸町ライブに行ける事になりました。
とても楽しみにしています。よろしくお願いいたします。
by yumi (2008-09-03 22:34)
偶然ですが、私も1978年に初めて西海岸に行き、
LAの乾いた空気を胸いっぱいに吸いながらビルボードを見上げてました。
30年、あっと言う間でした。
杏里さんが安心した顔で歌う姿が目に浮かびます。
ブログ、作りましたが、全然更新できてないので、削除しようか迷ってます。
母はこの日曜に退院です。リハビリ頑張っていたようで、退院が早くなりました。
名前、本名に戻しました。元マーメイド
by atsuko (2008-09-03 23:25)
最初に住んだジョージアの田舎臭さに耐えられず、LAに移住したのが
80年でした。
それから数年を過ごし、90年代・2000年代も頻繁に行ってますが
変わりましたね~。70年代がやっぱりアメリカらしいアメリカでした。
空と海の輝き、それは自分の若さの輝きでもありました。
あの頃、BAKED POTATOで良く見たリトナー。
杏里は今や、その奥さん?!
時代の変遷とは奇しきものでありますね!
by Max (2008-09-04 01:51)
杏里さんの曲には、20代の頃の苦い思い出が重なります。
だから、それ以来あまり近づかないようにしてました。
だけど今回、このエピソードを拝見して
この頃から、常富さんの音が自分の身近にあったことを知り、
改めて聴いてみようと思いました。
今なら、素直に聴けそうな気がします(:^^A
by 石ちゃん (2008-09-04 13:11)
昔?を懐かしみながら、新しい、ひとつひとつのお仕事が具現化されているようで、何よりです。季節の変わり目、ご無理なさいませんように。
by 織姫 (2008-09-04 21:54)
yumiさんひさしぶりです。
錦糸町...僕達も初めてです。
来週にはUpしますね。
前にも書いたけれど,最近は超下町好き。
また新しい拠点が出来そうです。
楽しみです。
by tzneyan (2008-09-04 23:14)
atsukoさん,元気そうで何より。
お母様も,もしかすると,またライブに復帰ですね!
同じ年にLAに行ってたんですか。
あの頃ののんびりさとは今はずいぶん違って,交通渋滞は激しいし,人々も皆急いで歩くようになりましたね。
まあNYや大阪とまでは行きませんが...。
いま関西ツアーの立案中です。
実現したいなぁ...。
Blogも頑張ってください!
by tzneyan (2008-09-04 23:22)
「わが心のジョージア」とはいかなかったんですね。
Maxさんも大変な足跡を地球に残していますね。
南部から西海岸...まったく別な国ですね。
僕は仕事で真冬の大雪のNYからホノルルに飛んだ事がありました。
空港のカウンターの数人から一斉に「羨まし~ぃ」と英語で言われましたなぁ...。
同じ国だもんね。
by tzneyan (2008-09-04 23:29)
20代の頃の苦い思い出...なにやら興味があるけれど,やめときましょう。
僕も杏里とは20代の最後から関わり出したので,思うところはたくさんありました。
今なら素直に聴けそうって...いいですね。
僕もそういう音楽たくさんあるかも。
視野も心も狭かったからな...。
石ちゃん,そういう歌を書いてください。
by tzneyan (2008-09-04 23:35)
織姫さん,ありがとう。
季節の変わり目に見事に風邪をひいていた僕。
最近しばらく無いので,そろそろかと思っています。
急に涼しいのがやばいですね。
by tzneyan (2008-09-04 23:37)
う~ん、東京にいたらライブに行けたのですが…。
残念です!(T^T)
杏里さん、最近まで常さんがプロデュースされていたこと
存じ上げませんでした。すみません。
杏里さんは高校生の時にブラスバンドでキャッツ・アイを
演奏した記憶があります♪
エスプレッソで眠れないで知ったので、
出会いは中学生だったのかもしれません。
他の方も書かれてますが、気づかぬうちに
常さんの音楽に触れていたんですねぇ。
実はオリビアはカラオケの十八番ですf ^^;
by sachiko (2008-09-05 00:20)
いくら何でもそんなに東京ばかり来れないでしょうが?!
カラオケの十八番?
大分で聴かせてもらいたかったねぇ...。
ブラスバンドでは何を担当してたんだっけ?
sachikoさんが音楽博士なのは,その辺りから?
by tzneyan (2008-09-05 02:51)
実はこっそり上京しているときが
あったり、なかったり、ラジバンダリ…(^^;)
音楽博士なんて言われるほどは知りませんです。
私は、思いっきり偏ってますのでA^^;
ブラバンではクラリネットを吹いてました。
その頃は佐野元春さんとかビリージョエルが好きでしたねぇ。
小学生の時の方が渋好みだったかも…。
23日楽しみですね♪やっぱり、見たかったなぁ。
by sachiko (2008-09-06 01:13)
お台場関係のイベントですね。
年とともに派手好みに変わったんだね。
古いフォークに詳しいのに,森進一郎さんや三平さんがびっくりしてたもんね。
by tzneyan (2008-09-06 13:13)
音楽って聴くばかりではなくて、自分にもできることがあると思いまして、中学生時代に愛用していたフルートをメンテナンスに出してきました。
捨てずにいた自分も不思議ですが、フルートもいつかきっと触れてくれるのを待っていてくれたのかもしれませんね。
買い換えた方が安かったような気もしますが、大事にしていたフルートですし、昔のような音色を出したいですしね。お稽古する時間を捻出しなければです。
風邪をひかないように、手洗い・うがいをしっかりと!
うがいは、ひとつまみのお塩でお願いします。イソジンガーグルのような消毒薬の乱用は控えましょう。
by 織姫 (2008-09-06 22:39)
織姫さんにフルートは似合っていると思います。
メンテナンスは良い選択と思いますよ。
是非、きかせていただきたいです。
by 歌姫 (2008-09-06 23:32)
楽器というもののはある意味ではどれも完成されていますね。
今後目を見張るような楽器というものは出てこないような気がします。
テクノロジーによって変化することはあっても基本は変わらないでしょう。
シンセサイザーがどんなに画期的でも,ピアノやオルガンは無くならないものね。
織姫さん,フルートも究極的に美しい響きを持っていますね。
頑張って。
by tzneyan (2008-09-07 01:31)
関西ツアー、楽しみにしております!
母は今日退院しました。早くお料理したいそうです。
今度はぜひ二人で伺いますね!
by atsuko (2008-09-07 16:29)
atsukoさん,無事退院...良かったですね。
ライブお揃いで来てもらいたいですが,無理しないでくださいね。
でもパワフルですからね。
ツアー...もうすぐ決まりそうです。
by tzneyan (2008-09-08 11:21)
なんと、map見たらライブ会場は会社のすぐ近くです!この近所に美味しい焼肉屋さんがありますよ!
会場は地下一階とのことですが、エレベーターあるのでしょうか。
休み明けにチェックしてきます。
by atsuko (2008-09-14 01:16)
atsukoさん,会社のそばとはビックリ。
北と南のちょうど真ん中辺りですよね。
しかも美味しい焼肉屋さんとは...。
打ち上げは直行かな。
店の構造はチェックしておきます!
by tzneyan (2008-09-15 02:05)
この辺りは母の育った所でもあります。
母は、頑張って階段を下りると言っております!
焼肉屋さんは、牛以外に豚や鶏もあるので、多彩な味が楽しめますよ。
ライブ楽しみにしております。
by atsuko (2008-09-15 17:54)
お母さんも大阪ど真ん中育ちなんですね。
どおりでパワフルなわけですね。
atsukoさん,逢えるのを楽しみにしてます!
by tzneyan (2008-09-16 01:54)